Here To Stayのテーマ部分よりパット・メセニーの運指とミュートのコンセプトについて考察したいと思います。
このテーマは映像をみると中指と小指という指使いで弾かれています。
一見、弾きづらい指使いですが、パットメセニーはどのような考えでこの運指を採用しているのでしょうか。
インポジションとミュートという観点から見ていくとこの難儀な指使いも非常にリーズナブル感じられます。
この2つの観点からこの運指を掘り下げていきたいと思います。
まずはインポジションの観点からです。
この曲のキーはAm、テーマはAmペンタトニックで構成されています。
7fから10fにかけてのインポジションで弾かれています。
ペンタ意識であれば1フレットずらした8フレットからのポジションでも良さそうですがなぜこのポジションなのでしょうか。
テーマの構成音だけ見ればペンタトニックですが、その背後にあるこの曲のスケールはペンタでなくドリアンだからなのではないかと思われます。
4弦7fから始まるドリアンスケールがちょうど7fから10fのインポジションとテーマの指使いにフィットします。
イントロでライル・メイズがかなり6thを意識したフレーズを弾いていますし、パットは明確にドリアンの世界感を意識していて、それがポジション取りにも現れているんじゃないでしょうか。
次にミュートの観点からです。
上記の7fからのインポジションで弾くと中指と小指の組み合わせになります。つまり人差し指が常時余った状態となります。
映像の0:52からをみて頂くとその余った人差し指が常時3弦あたりまで伸びているのが見えますでしょうか。
この人差し指で3弦までをミュートしているんですね。
通常、押さえている弦より上は右手ので行いますが、弾く弦のすぐ上隣の弦はそのコントロールがシビアになります。
パットのような3本持ち逆アングルだとなおさらです。
そこに左手人差し指を動員することによりそのミュートを確実なものにしているのです。
また人差し指を寝かせて3弦のみならず、1弦、2弦を触っていると思われます。
こうすることで中指や小指の押弦を解除した時にただ指を離すだけでしっかり音が止まるのでダイナミックなリープもいとわず行うことができます。
15フレットまで一気に小指で跳んでまた戻ってくる箇所がありますが、この動きも人差し指でのミュートがあるかないかで、やりやすさが大きく変わってきます。
インポジションという観点のみからであればパット独特のこだわりに見えてしまうかもしれませんが、ミュートという観点も加えて分析すると非常に考え込まれた運指であるといえます。
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