Europaのルバート部において印象的に使われているコードトレモロ。
各所で何度も現れるこのコードトレモロは本曲の印象を決定づけているものの1つです。
このコードトレモロにおける右手の動きを考察していくと、Tuck Andressが大事にしているコンセプトが見えてきます。
それは体の生理として動かしやすい手の動きを選択すること。そしてそれによってもたらされる良いグルーヴを第一義とすることです。
意外かもしれませんがTuck Andressの右手は必ず動かしやすい指遣いになっているのです。
確かにミュートやテンポとの兼ね合いから一見難しいと感じる動きは多いことでしょう。
しかしじっくり弾き込んで見ると、そこに無理な手の使い方はなく、握る、振るといったギターにおける基本的な動きの延長にあるテクニックが選ばれていることがわかります。
難しいテクニックであっても無理を通したテクニックではないのです。
具体的な例を見ていきましょう。
4弦〜1弦のトレモロは「親、人、中、薬」の4本の指を使います。
ここから3弦〜1弦の組み合わせに移行した際、「人、中、薬」ではなく「親、人、中」の組み合わせで弾きます。
「人、中、薬」よりも「親、人、中」の方が動かしやすいのは想像に難くないでしょう。
またTuck Andressほどの使い手であれば「人、中、薬、小」という組み合わせもあってよさそうですが現状その指遣いは見つけられていません。
やはり練習の末、その指遣いができるようになっても「親、人、中、薬」という動きの自然さ、グルーヴの良さには及ばないという考えがあるのではないでしょうか。
ブルーノート東京の楽屋でTuck Andressご本人とお話しさせていただいた時、
"Band Sound is my mother tongue"とおっしゃっていました。
ドラムやベースのグルーヴを伴ったサウンドこそが自身の音楽的な基盤ということなんですね。
しかしよくよく考えればTuck Andressとは"Tuck&Patti"のリズムギタリスト。
ソロギターではなく伴奏こそが本分とするならばバンドサウンドをルーツとしていること、グルーヴを最優先としていることも当然と言えるでしょう。
彼の指遣いは須くそのグルーヴという目的のために設定されているのです。
本稿でスポットを当てたルバートパートにおいてもそのコンセプトはブレずに徹底されているということですね。
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